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奥田 英二; 佐々木 純; 鈴木 信弘; 高松 操; 長井 秋則
JAEA-Technology 2016-017, 20 Pages, 2016/07
供用中のナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器内補修作業においては、当該作業の確実な遂行のため、作業監視や観察に用いる原子炉容器内観察技術の確保が必須となる。ナトリウム冷却型高速炉における原子炉容器内観察では、高温・高線量率・限定されたアクセスルートの制約により、一般的に、耐放射線ファイバスコープやペリスコープが観察ツールとして用いられるが、高速実験炉「常陽」では、観察画像の画質・鮮明度向上を目的とし、耐放射線カメラを用いた原子炉容器内観察を実施した。本観察を通して蓄積された経験やデータは、稀少な知見として、今後のナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器内観察技術の開発に資するものと期待される。
奥田 英二; 佐々木 純; 鈴木 信弘; 高松 操; 長井 秋則
JAEA-Technology 2015-005, 36 Pages, 2015/03
高速炉における原子炉容器内観察技術は、観察装置等を高温・高放射線・ナトリウム環境といった過酷な条件で使用することから、当該技術の信頼性を担保するために、実機環境下での機能確認が重要な役割を担う。高速実験炉「常陽」では、炉心上部機構嵌合部観察治具を開発し、実機への適用性を確認した。本技術開発を通じて得られた成果を以下に示す。(1)観察画像の画質・鮮明度向上:観察ツールとしてビデオスコープを適用した炉心上部機構嵌合観察治具により、実機環境下において、最小5mmのギャップを明瞭に観察できることを実証した。(2)高線量率・高温環境下におけるビデオスコープの破損防止:耐放射線性・耐熱性に劣るビデオスコープが、高線量率・高温環境下で破損することを防止するため、カバーガスバウンダリを確保した上で、観察時のみに、ビデオスコープを冷却ガスとともに原子炉容器内に挿入する手法を開発し、実機環境下において、当該手法が適切に機能することを実証した。炉心上部機構嵌合部観察治具は、世界的にも例の少ない大規模な炉内補修作業である「炉心上部機構交換作業」において想定されたリスクの回避に資する有用な情報を提供し、当該作業の安全な推進に大きく貢献した。また、ここで蓄積された経験やデータは、稀少な知見として、今後のナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器内観察技術の開発に資するものと期待される。